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ニッポニア夕暮れ~野村芳太郎さんについて~

どうでもいい自分語りに思えるが、今回のテーマと密接に関わるので飛ばさないように。

幼い頃、夕暮れが怖かった。あの赤々とした光が血を養分にして光っているように思えて怖かった。桜かよ。
外で遊んでいた時「帰らないと殺す」と夕暮れに言われているようで怖かった。
女の金切り声と執着心に近い母性、男の厳粛な体罰と独占欲に近い父性。
夕暮れに対する印象はこれらがないまぜになったような観念だった。
意味がわからん。

今でも畏怖に近い感情がある。だから僕は「三丁目の夕日」や「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」の
「明日へのキボーを暗示させる」夕暮れは
アメリカの夕暮れ(「大草原の小さな家」イズムでしょうか?)であって日本の夕暮れでないとみなしている。

日本の夕焼けってアメリカのそれと比べてやはり「恐ろしい」んですよね。

野村芳太郎さんはそんな「ニッポニア夕暮れ」をバックに男と女、或いは人間の“業”を描き続けた。


snapshot_dvd_01.34.40_[2011.12.14_19.49.41]
(「鬼畜」より)


snapshot_dvd_00.00.30_[2011.12.14_19.57.14]



snapshot_dvd_00.22.35_[2011.12.14_19.59.43]

(「砂の器」より)

snapshot_dvd_00.09.14_[2011.12.14_20.13.40]

(「疑惑」より)



snapshot_dvd_01.37.15_[2011.12.14_20.31.40]
(「影の車」より)

これがアメリカロケだったら説得力を持たないだろうし、暗闇がバックでもダメだったでしょう。
“日本の夕暮れ”だからこそ、こういった描写に説得力を持たせることができた。


この「“太陽光”で演出する姿勢」は「張込み」から始めたものらしい。

「張込み」はモノクロであるものの、なるほど夏の暑さをフィーチャリングした映画ということもあって
「太陽の光」を感じさせる作品であった。
snapshot_dvd_00.02.59_[2011.12.14_19.33.16]


以下は「松本清張傑作映画ベスト10  04 張込み」

“製作現場から TAKE4 脚本家 橋本忍にきく製作秘話”からの引用である。

変貌をとげた野村監督
>野村さんはこの映画を「あくまでもリアルな雰囲気が主題の物語」と決めこみ
>それに徹するためにとり方も従来とはまるで変わっています。
>純粋に出来のよい画をつくるにはいちばん力があるのは
>太陽光線です。

>空に一転の曇りもないときと、薄くでも雲がかかっているときでは
>光度が極端に下がる。
>それくらいピーカン(快晴)が重要なので
>野村さんはリアルな夏の暑さを出すために、空が少しでも曇ったら
>いっさい撮らなかったんです。



野村芳太郎さんのあの“夕暮れ”がまた見たい
「三丁目の夕日」や「オトナ帝国」みたいな“未来への希望を志向した夕暮れ”なんかに調子に乗らせてはいけねえ!
ジャパニーズホラーならぬ、“ジャパニーズ夕暮れ”をバックに男と女、いや、“日本人”の業を描いて
俺たちをまた震え上がらせてくれ!と常々思っていた。
亡くなったと聞いたのはそんな矢先だった。

今の子供たちは夕暮れの恐ろしさを知っているのだろうか・・・ということでお開き。
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テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

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