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同棲時代→結婚生活は本当? ~あゝ同棲生活変遷史~

ボーっとyoutubeで動画を漁っていたら(と言ってもネットをしている間は大抵呆けているのだが)
若者の未婚化に関して論じている動画をたまたま目にした。

自分にとっては要領を得ない話だったので、なんとなく“見流して”いたが
引っかかる点が一つあった。
それが、ここ↓








この動画で言及されている「同棲時代」は上村一夫さんの漫画を映画化したもので

ストーリーは、ゴタゴタはあったものの同棲生活を継続していく二人描いたものであったが
(主演を務めた由美かおるさんが当時のオナペット(←死語)
NO.1だったっという話があるからなんとはなしに覚えてる)
しかしそうすんなりと、同棲時代の人たちが結婚へと素直に駒を進めたのだろうか疑問だ。

同時代の「同棲文化」を見てみよう。


まずは林静一さんの「赤色エレジー」
手元に漫画版が無いので、あがた森魚さんが製作した映画版からの借用になるが

この二人は貧しさ故に同棲生活を継続させることが出来ず別れることになり
残された男が、一人寂しくご飯を食べるところでストーリーは終結している。



また同時代の同棲ソングの代表者といえばなんといっても
「かぐや姫」だろう。

「赤ちょうちん」はともかく「神田川」は若い人でも耳にしたことがあると思う。


それでは「赤ちょうちん」「神田川」の女性はその後も同棲を続け
結婚に至ったのだろうか?

映画「赤ちょうちん」を見てみよう。


行きずりで出会った二人は
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貧しいながらも転々としながら同棲生活を続け、終に子どもをもうけることになる
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しかし女性は結局発狂してしまい(嫌いだった鶏の肉を貪り食うところまで錯乱)
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精神病院に入ることになる。
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また続・神田川とも言える「美映子」を聞いてみよう。




いきなり「さよなら、美映子」から始まっている。なんだ同棲生活は失敗に終わったのか。
で注目したいのが二番の歌詞である。

さよなら美映子 きみは鳴らすはずだ
平凡な男と ウェディングベル


さらに同じ「かぐや姫」のメンバーだった伊勢正三さんの結成した「風」というバンドの
超有名曲「22才の別れ」をみてみよう


改めて注目したいのは二番の歌詞である。

今はただ 五年の月日が
ながすぎた春といえるだけです
あなたの知らないところへ 嫁いでゆくわたしにとって


なんのことはない、結局あの時代の女性も“貧しさに負けて”別れるか
発狂するか最終的には安定感のある男性を選んだのだ。


かように「同棲モノ」はドロドロしていて貧乏臭くて最終的には悲劇的な結末、破局を迎える。
宮台さんが言うように同棲→結婚へすんなりとは進まない。
彼は吉田拓郎さんの「結婚しようよ」の世界観とそれらを混同してるのでは無いかと推測する。


そもそもこの時代って結婚の際には別の男にNTRされる
「ダスティン・ホフマン症候群」の音楽がよく流行ってた気がする。




NSPはNTR※1に改名してもいいんじゃないかって言うくらい
そういう歌ばかり歌ってたイメージが・・・(天野滋さんゴメンナサイ!!)




ちょいと横道に逸れるよ。
僕が「オトナ帝国の逆襲」


に対して不満を持っているのは、このお二方
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チャコさんケンさんね。
この二人の「同棲模様」が例に挙げた映画や音楽のように“じくじくして貧乏臭い”訳でなく
割りと飢えてなさそうで
コスプレをして葉っぱのお皿、木の実のお椀で同棲生活のままごと
(唐突だけど太田裕美さんも伊勢正三さんがよく担当していたね。)
をしているだけのように見える。

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物質、食料が量のみならず質も伴って足りているかのような暮らしぶりで
そこが「どうなんだろう?」と思ったわけです。

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あの時代に思い入れのある僕としては
お二方が60~70年代にあった「ネクラ」「貧乏」「殺伐」を無かったことにして
単に「明るくてキボーがあった昭和の時代」のみをフィーチャリングしてるのはどうかと思う。
(ぶっちゃけこのマインドって「三丁目の夕日」と対して変わらないと考えてます。)

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ついでに言うとこの映画、「60~70年代の懐古とその超克」というより
「80年代的な消費主義で60~70年代を消費してはイカン」という
ちょっとリアルタイムからは“ズレた”視点なので、そこもあまり良いと思えないのだ。

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いかにも80年代的な消費光景である。

脱線失礼。




さて同時代の「同棲文化」という横軸に視点を向けた話をしたので
今度は、同棲の失敗、結婚と経済力と愛というテーマが異なる時代の中で
どう描かれてきたかという縦の軸をみていきましょう。

結婚においては男の経済力>>>>>>>>>愛
というテーマは
古くは尾崎紅葉さんの「金色夜叉」からでてきている。



僕は恥ずかしいことに未読なんだけどこの「金色夜叉」は何度も何度もパロディ化されたために
(「元祖天才バカボン」にも出てきた。)
結構印象に残っている。

「金色夜叉」のパロディに加えて男の経済力>>>>愛の悲哀を描いたのが
落語家の柳亭痴楽さんであろう。

日本語ラップの源流と言えなくもない。

以下が「金色夜叉」のパロディの「痴楽純情詩集」でござい。


金が敵の世の中と かねがね聞いてはいたけれど
固い誓いも約束も 捨てて彼女は金のため
こともあろうに高利貸
狸爺の後妻とは

熱海の浜で貫一が月に恨みを言ったよに
恋に破れた身は同じ
今宵も僕のこの胸に 怒りの浪が打ちよせる
割り箸みるたびまた涙 生木さくとはこの事か

金の力で愛情を 氷のように冷やすから
つけた名前が “高利貸”

               「高利貸」より


手元になぜか「痴楽綴り方狂室」があるのでも少し引用してみる。

かすりの着物の愛ちゃんと
背広の男のこのボクは 好き好き好きと言いながら
ままにならない義理ゆえに 哀しや別れの一本杉
   (中略)
忘れえぬ人初恋の 愛ちゃんは太郎の嫁になる

                       「痴楽脱線歌謡より」


むらで自慢のお花ちゃん
僕が東京で出世して 
迎えに来るまでまってておくれ
泣いて別れた故郷の 峠に咲いてた白い花

あれから過ぎた一ト昔
夢も破れてたよりもとだえ つぎはぎだらけの作業服
満員電車に弁当箱 間借り生活の情けなさ
風のたよりに聞く人は 今じゃ人妻子が三人

                      「風のたより」より



痴楽さんの「言葉遊び」には
貧乏独身男のしみったれ生活と金のある男に女を寝取られた恨みが
反映されている。
まだ独身男の肩身が狭かった時代の話である。
(この本には他にも「着たきりチョンガー」(←死語)なんてでてきている。)



でこの手のテーマをよく歌っているイメージがあるのが浜田省吾さんである
「MONEY」なんて直結で金がテーマ。


他の歌「陽の当たる場所」も「同棲生活」の変化球verと言えなくもない。


改めて「丘の上の愛」をここに載せておこう。



君がただひとり心を奪われた あいつはまだ若く
夢の他には何も持たない貧しい学生
だけど九月の雨の夜君は丘の上に住む誰かの
氷のような腕に抱かれて 未来を手に入れた
愛とひきかえに

愛が買えるなら その涙の理由を教えて
愛が買えるなら ため息の理由を聞かせて
いつわらずに



ということで
尾崎紅葉さん→柳亭痴楽さん→かぐや姫(伊勢正三さん)→浜田省吾さん

という、男の経済力>>>>>>>>>>>>>>愛という価値観に基づいた作品群の
なんともまあ歪で奇妙な系譜がここに誕生することになる。
無論歪なのは私の趣味の問題が大いに反映されているためだが。

でもどの作家も尾崎紅葉さんを意識したわけではなく
結局どの時代の女性も愛よりも男の経済力を優先させ
それが歌や文化に反映されていただけだと思う。

愛の不毛を歌ったシンガーは
これ以降出てきても強いインパクトを与えることはなく
浜田省吾さんで一応ピリオドが打たれた感がある。



それは女性が何も金より愛を優先させるようになったわけではなく
結婚の前段階で恋愛自体の歓びと
「恋愛自体の不毛」(←少女漫画的なアレね)を存分に(?)享受できるようになり
昔の同棲生活のように
「恋愛が原因で貧困になって死ぬ」ということもなくなり
結婚における「愛の不毛」の歌いようがなくなったからじゃないかと思う。
先述の「貫一お宮」のパロディが現在出てこないのも、そういう事情があるからだ。(たぶん)


さて、この動画の中で「フランスでは、経済的不安が結婚につながらないのは自明ではない。」
と宮台さんは述べているが
「同棲モノ」を誤認している彼のことだからどうだろう。

海外といっても、アメリカの話だが流石は「トロフィーワイフ」なる言葉が流布している国で、金>>>>>>>>>>>>>>愛のNTRソングがここでも出てきてる。





「私は経済力のある旦那を選んだけど、二枚目に言い寄られて浮気し放題」みたいなシャンソンでも今度探してみようかしら
ということでお開き。


おまけ


(ガキの使いより)








※1


でそう思いながらNSPの曲を漁ってたら新海誠さんのアニメ映画に併せたAMVが・・・



別離ソングの覇者「とんぼちゃん」に併せたAMVまであるじゃねえか・・・

いずれ新海誠さんとNTRについて語らなければいけないということだろうか・・・
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